車に癖(くせ)ってつくの?
車は機械です。生き物のように癖がつく事はありませんが、前オーナーの使い方によっては「癖(くせ)」と呼ばれる症状がでる場合があります。
個別に考えてみたいと思います。
走行時の癖
- ハンドルが右や左に取られる
これはタイヤが片方だけ摩耗している。又はタイヤの内と外で摩耗の度合いが違うなどタイヤに原因がある場合が多いです。
タイヤのバランス取り、アライメントを調整することで解決する事が多いです。
あまり摩耗が酷い場合は一緒にタイヤを交換することをおススメします。
走行距離が5万キロ以上走っている車ではサスペンションのヘタリが影響する場合もあります。
中古車の場合、タイヤ交換、アライメント調整で乗り心地が大きく改善する場合があります。
エンジンが回らない
- アクセルを踏み込んでもスムースに高回転まで回らない
現在の車はコンピューター制御でエンジンに燃料を送っています。
癖がつきにくい部分ではありますが、前オーナーが高回転を全く使わないタイプだった場合はこういった事があるようです。
高回転まで回らない要因は「慣し不足」「カーボンの堆積」などです。
回転を上げる事で慣し不足は解消します。またエンジン内の温度が上がる事で堆積したカーボンも焼き切られて減って行きます。
低燃費時代ですが、エンジンは時々高回転まで回す事が本来望ましいと言えます。
安全には留意して行って下さい。
車の学習機能
現在の車には学習機能が備わっている場合があります。
特にAT車の場合は、より燃料消費を押さえるため、乗り手の運転パターンを記憶して最適なシフトパターンを作り上げていく車もあります。
こういった機能は新しいオーナーにとって違和感に感じる部分ですが、乗り手が代り新しい運転パターンのデータが蓄積されると新しいオーナーさんにあったパターンに作り替えて行きます。乗り込んで行くうちに気にならなくなるはずです。
あまり気になるならコンピューターをリセットしてもらうのも方法です。
クラッチの癖
マニュアル車に限定の話ですが、前オーナーの変速操作が荒い、半クラッチを多用するといった乗り方をしている場合、クラッチ板の摩耗やシンクロ機構へのダメージを受けている場合があります。クラッチについては機械的な事ですのでメンテナンスしないと改善はしません。
クラッチ板の交換、クラッチのオーバーホールが必要な場合があります。
個別の症状により対処が変わります。ディーラーかマニュアル車の整備に詳しい整備工場で点検を受ける事をおススメします。
事故に起因する癖
最後に事故に起因するくせです。
事故を起してフレームや足回りにダメージを受けた車は完全に元に戻らないケースがあります。
その結果、ハンドルが左右に取られる、振動が出るなどの不具合が起きます。
残念ながら、これは解決が難しい癖になります。
こういった車は修復歴アリとして売られています。
もちろん、きちんと修復されている車もありますが、中には不具合を抱えたままの車もあります。
これは購入前に判断が難しい要素です。
車の癖が気になる方は修復歴車は避けるのが賢明です。
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