レンタカーとしての役割を終えた車の多くも中古車市場に流れて来ます。
レンタカー落ち、レンタカー上がりとも言いますが、こういった車はお買い得なのでしょうか?今回はレンタカー落ちについて考えます。
レンタカー落ちとは
レンタカーとしての役割を終えて、中古車として販売されている車をレンタカー落ち、レンタカー上がりとも言います。中古車として販売される場合はプライズボードに「レンタカーで使用したこと表示する」ように義務付けられています。
以下はレンタカー落ちの特徴です。
価格が安い
不特定多数の人が利用している、雑に扱う人が多いといったレンタカーならではのネガティブな理由によりレンタカー落ちを敬遠する中古車ユーザーは少なくありません。
そのため人気がなく相場より安く売られている事が多い。
中古車の価格は需要と供給で決まります。需要が少ない車は値段が安くなるのです。
比較的新しい車種が多い
レンタカーを借りた事が有る方はご存知だと思いますが、現在のレンタカーはほとんどが最新車種か一世代前までです。あまり古くなると借り手がいなくなるのでしょう。
低予算で新しい車種を手に入られるということはレンタカー落ちの魅力と言えます。
走行距離が長い
車種にもよりますが、短期間でかなりの距離を走っている車が多い事も特徴です。
一年で3〜4万キロ走っている車も珍しくありません。
但し1〜2年で役目を終えるため、極端な過走行になっている車は少ないと言えます。
洗車傷が多い
レンタカーは戻って来ると汚れている汚れていないに関わらず次の利用者のために洗車機にかけられます。そのため洗車傷は一般的な中古車より沢山ついています。
定期的なメンテナンスがされている
レンタカーとして貸し出されているため、日常のメンテナンスは行き届いています。
またレンタカーは6ヶ月毎の法定点検が義務づけられています。
レンタカー落ちは買いか?否か?
レンタカー落ちが敬遠される理由の一つに「誰が乗ったか解らない」という不安と「雑に扱われている」事への心配があります。またレンタカーには嘔吐などの汚れの問題もあります。
これに関しては運に左右される部分もありますが、ある程度覚悟しておいた方が良いでしょう。レンタカーは不特定多数の人が利用します。丁寧に扱う人ばかりではありません。雑に扱う人に出会わなかった幸運なレンタカーなどほとんど無いでしょう。
また定期的なメンテナンスに関しても最低限と考えておく方が良いでしょう。
メンテナンスはコストがかかります。レンタカーは車を貸して利益を得るビジネスです。
過剰にメンテナンスすれば経費がかかり利益を圧迫します。
業務に差し支えない程度の必要最低限だと考えておくべきです。
かといってレンタカー落ちを買ってはいけない訳ではありません。
誰かが買うから中古車として売られているのです。誰も買わなければ中古車として並ぶ事無く海外に輸出されるか廃車されるかの道を取るでしょう。
中古車はそもそもリスクある買物ですが、レンタカーの場合、そのリスクはより高くなります。検討されるなら、慎重に選ばれる事をおススメします。
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試乗車落ちとレンタカー落ちの決定的な違い
レンタカー落ちとよく比較されるのが試乗車落ちです。
試乗車落ちとは新車ディーラーが所有している新車の見本です。
試乗車落ちとレンタカー落ちの共通する部分、異なる部分
不特定多数の人が乗っている点、雑に扱う人がいるという点、それを嫌う人がいるため相場より安く試乗に並ぶといった共通点があります。
しかしこの試乗車落ちとレンタカー落ちには決定的な違いがあります。
試乗車を雑に扱う人もいることは確かですが、あくまで試乗している短時間の話です。せいぜい30分程度でしょう。レンタカーの場合、そういった状態が丸一日、二日と続きますので車にかかるダメージは比べ物になりません。
また整備についても、試乗車は「新車の見本」という位置づけですので、調子が悪い、気になる部分があるなどコンディションに問題があると新車の売れ行きに影響します。かなり入念に整備されているのが一般的です。
走行距離も試乗車の場合、モデルチェンジまでの2年間使われたとしても、せいぜい1万キロ前後とレンタカーとは比較にならないほど少ない事も上げておきます。