ディスク研磨とは?
車検の見積を取るとよく乗っている項目です。
ディスクブレーキは円盤状のローター板(正しくはブレーキローターと言います)にブレーキパッドを押し付ける摩擦力でスピードの制御や車を停止させる仕組みです。
ディスク研磨とは使用にともない段差がついたローター板の表面を研磨し平面に加工する事でブレーキパッドの当たりをよくするメンテナンスです。
メリットは
- ブレーキのタッチがよくなり、よく効くようになる。
- ブレーキパッドの寿命が長くなる。
- ローター板(ブレーキローター)の偏摩耗を防ぐ。
というものです。
デメリットを上げるとすると
- ディスク表面を削るためローター板そのものが薄くなる
という事が言えます。
偏摩耗を防ぐという意味では寿命を伸ばす効果はありますが、ローター板単体で考えると表面を削るのですから全体的に薄くなり寿命は短くなります。
そのため研磨は1回又は2回までとされる整備工場もあるようです。
作業費用はディスク(ローター)サイズにもよりますが、1枚あたり5000円〜が相場でしょう。
ディスク研磨って必要?
ディスク研磨のメリットは確かに有ります。
しかしながら「車検のついでにする整備ではない」と言えます。
理由は下記の通りです。
ディスクローターそのものは寿命の長い部品
ディスクローターの寿命は走行距離ではなく厚みで管理します。
そのため車重や運転の仕方に影響を大きく受けます。
しかし国産車のディスクローターはそう頻繁に交換する部品ではありません。
一般的な使用なら10万キロ以上無交換というケースもよく耳にします。
研磨するかどうかはディスクローターの状態で判断すべきものです。
車検のついでにする整備ではありません。
費用対効果が悪い
ディスク研磨は1枚5000円程度の費用がかかります。
フロントブレーキを両側研磨すると1万円前後です。
新品のローター板の値段をご存知ですか?
コンパクトカーなら標準品左右セットで2万円前後です。
もちろん交換の工賃もかかりますので2万円では済みませんが、2万円の部品のメンテナンスに1万円かけるのです。費用対効果で考えると良いとは言えません。
使えるところまで使って交換でも良いかもしれません。
大型車の場合はローター代も高くなりますので研磨のメリットも大きくなります。
研磨をするまえにローター板の値段や交換に必要な費用を理解して判断することが大切です。
気になり出してから研磨しても間に合います
結論から言ってしまえば、ディスク研磨は「気になる音がする」「タッチが気になる」などブレーキ周りで気になるポイントが出て来てからでも間に合うメンテナンスです。
車検時にすすめられる理由は、車検整備でブレーキ周りの点検をするのでついでに出来るという程度です。つまり整備する側の都合です。
整備項目を増やした方が整備工場やディーラーは儲かりますのでどんどん勧めて来るのです。
ブレーキのタッチがよくなりますよ
段差が大きくなる前にやっておいた方がいいですよ
色々とおススメの理由を説明されますが、冷静になりましょう。
ブレーキのタッチが気になりますか?
整備することは悪くありません。前もってやっておいてダメな理由もありません。
でも「悪くも無いところを整備してお金を払う」、これは賢いカーライフとは言えませんね。